医療アウトリーチプログラム

 

東京以外で初 母乳バンクを設置

藤田医科大学病院は国内で3カ所目となる母乳バンク「藤田医科大学病院 日本財団母乳バンク」を2023年6月に設置しました。母乳バンクとは、母乳を無償提供してもらい低温殺菌するなどして安全に管理された「ドナーミルク」を必要な赤ちゃんに提供する活動です。国内の母乳バンクは2カ所にとどまり、いずれも東京都中央区を拠点とするため、首都圏直下型地震などの災害時には、ドナーミルクで命をつないでいる赤ちゃんたちへの供給が途絶える可能性があることが課題でした。今回設置された母乳バンクが、災害に備えたドナーミルクの新たなストック拠点として機能することで、供給を途切れさせない体制づくりに貢献していきます。通常は東海3県のNICUへ提供し、災害などで東京のライフラインが停止した際には当バンクから全国のNICUに発送します。
*母乳バンクとは:なんらかの事情で母乳が出ない、またはあげられない母親と赤ちゃんに対し、母乳がたくさん出る母親から母乳を提供してもらい、低温殺菌するなどして安全に管理された「ドナーミルク」を必要な赤ちゃんに無償で提供する活動です。ドナーミルクは、元来母乳に含まれている消化酵素や消化管ホルモンが消化・吸収を助け、免疫成分も含まれるため、生死に関わる新生児壊死性腸炎のリスクを約1/3に減らすことが分かっています。提供対象は、NICUで治療を受けている1500g未満の極低出生体重児で、年間5000人に及びます。