心不全における主要な死因の一つに突然死があります。これまでの大規模臨床研究では、心収縮能が低下した心不全(HFrEF)における突然死について多く報告されてきましたが、心臓の収縮力が保たれた心不全(HFpEF)における突然死の病態やリスク因子は十分に解明されていませんでした。本研究では、心不全で入院した2,331人を長期間追跡し、左室駆出率により3群に分類して、心不全のタイプ別に突然死の頻度と突然死時の最終調律を評価しました。その結果、HFpEFでは突然死の頻度は低い一方、最終調律として「心静止」が多く、心室頻拍や心室細動といった致死性不整脈とは異なる特徴を示しました。さらに、自覚症状の重症度(NYHA分類III)や心電図上のQT時間延長が、HFpEFにおける突然死の重要な予後予測因子であることを明らかにしました。本研究は、心不全のタイプごとに異なる突然死の特徴を示し、今後の個別化医療や予防戦略の構築に貢献する成果と考えられます。
研究者
藤田医科大学ばんたね病院 内科学Ⅱ 循環器内科
祖父江嘉洋 教授
医学部 循環器内科学
井澤英夫 教授
et al.


