保健学セミナーのお知らせ

大学院保健学研究科 第95回保健学セミナーのお知らせ

藤田医科大学大学院 保健学研究科 保健学専攻では、6領域の大学院生が共に集まり、領域横断的に視野を広げ最新のトピックスを学ぶため、各分野の第一線で活躍されている学内外の先生や著名な研究者を講師に招聘した「保健学セミナー」を開催しています。
今回の第95回保健学セミナーは、リハビリテーション学領域の企画担当で開催いたします。

演題 臨床現場の臨床疑問から研究課題を見つけ、“臨床”をアップデートする
演者
西大和リハビリテーション病院 リハビリテーション部 技師長
生野 公貴 先生
日時 2023年12月1日(金)18:00~19:30
場所 大学1号館5階 フジタホール500
 

ご講演要旨

 私は理学療法士として臨床で勤務しながら大学院に進学し、博士課程を修了した後も臨床現場で働き続けています。大学院では、研究の一端を知れたおかげで、リハビリテーション医療における科学的根拠が不足していることに問題意識を持つようになりました。しかし、臨床現場では様々な問題により“臨床”と“研究”の溝が深く大きく、双方の利点が活かされていませんでした。この問題を解決すべく、当院では積極的に大学・研究機関との共同研究や人材交流を図っていきました。大学および研究機関との共同研究を実施して得られた成果を臨床実装し、日々の臨床をアップデートするという一連のプロセスをマネジメントすることで、この好循環が新たな臨床疑問を解決する動機に役立っていると感じています。
 臨床と研究の相互交流が臨床の発展に必要不可欠です。本セミナーでは、当院で実施してきた研究成果(電気刺激、姿勢制御)と臨床実装までのプロセスについて概説し、臨床と研究の相互発展を考えたいと思います。

 今回ご講演いただく生野公貴先生は、理学療法士として臨床に勤務しながら、畿央大学大学院健康科学研究科へ進学されました。博士課程の修了後、現在も西大和リハビリテーション病院 リハビリテーション部 技師長として臨床の現場に立っておられます。臨床の現場においては、電気や熱といった様々な物理的手段を用いる物理療法を基盤として、科学的根拠のある治療の確立に挑んでおられます。また、日本物理療法研究会の理事長、および日本物理療法学会の理事として、後進の育成に尽力されています。
 本セミナーは、臨床疑問を解決するためにどのように研究を進めてこられたのか、そしてそれをどのように臨床の現場に実装されてきたのか、生野先生のご経験をお聞きできる貴重な機会です。臨床で働きながら大学院に進学した多くの大学院生にとっては、生野先生のこれまでの活動はロールモデルのひとつとなり得ると思います。また、一医療者としても、臨床と研究に対する姿勢を考える良い機会にしていただけると思います。
 大学院生はもとより、学部学生や教職員の皆様で関心のある方のご来聴をお待ちしております。
 
大学院保健学研究科長 齋藤 邦明
 
問い合わせ:武田 湖太郎(059-252-2744 ktakeda@fujita-hu.ac.jp)