プレスリリース

非侵襲的な心臓CT解析プログラム FFR導入

痛みや入院を伴わない非侵襲的な心臓CT解析プログラム 循環器内科にFFRCTを導入 


藤田医科大学病院(愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪1番地98)循環器内科は、CT画像をもとに心臓の血液の流れをスーパーコンピューターで解析する「FFRCT」を2020年12月に導入しました。当院では、一心拍で高画像の心臓画像を撮像できる最新鋭の320列CTスキャナを活用し、より高精度な解析を実現しています。
「FFRCT」は、狭心症・心筋梗塞など冠動脈疾患における狭窄の重症度とその狭窄が血流に与える影響を非侵襲的に解析するプログラムで、2018年12月に保険収載されました。すでに撮影された冠動脈CTの画像で解析でき、新たに撮像する必要がないため患者さんの負担が少なく、外来で行えるのが特長です。狭窄や血流の流れが視覚化されていることで、より正確な医師の診断が可能となり、患者さんにとっても理解しやすいことも特長です。なお、FFRCT解析プログラムの運用には厳格な施設基準が設けられており、愛知県内でも導入しているのは計6施設(2021年9月現在)にとどまります。

FFRCT解析プログラム

「FFRCT」は、冠動脈 CT 画像をもとに、コンピューター上に冠動脈の 3D モデルを作成し、 血管の狭窄が血流に与える影響を数値流体力学により解析するプログラムです。これまで狭窄 の程度の判断には冠動脈 CT 検査、また虚血については心臓カテーテル検査や心筋シンチグラ フィー、負荷心エコーなどで評価していましたが、この FFRCT解析プログラムにより、狭窄の 程度と虚血の評価を一度に行うことができます〈図 1・図 2〉。

  • 〈図 1〉血流の状態が数値で表示され、その数 値に応じて冠動脈が色分けされます。赤い部分 は血液の流れが特に悪くなっていることを意味 しています。

  • 〈図 2〉細かなメッシュ(網の目)による冠動脈 の3D モデルを作成し、スーパーコンピュータ ーを用いた仮想空間での血流シミュレーション を行います

藤田医科大学病院 循環器内科では「FFRCT」を活用して、今後も一層、身体に負担の少ない 心臓病診療をめざしていきます。