本学の研究チームは、相生山ほのぼのメモリークリニック院長である松永慎史先生との共同研究として、メタ解析によりアルツハイマー病に伴う認知機能障害に対するリチウムの有用性を検証しました。これまで、モデルマウスを用いた実験では、脳内のリチウム不足がアルツハイマー病の一因であることや、リチウムの補給によって記憶障害が改善することが報告されています。しかし、ヒトを対象としたこれまでの臨床試験結果にはバラつきがあり、見解が定まっていませんでした。今回の解析の結果、日本で双極症の治療薬として使用されている「炭酸リチウム」には、アルツハイマー病の認知機能障害に対する効果がないことが判明しました。一方で、動物実験において有用性が示唆されている「オロチン酸リチウム」については、現時点で国内外ともに医薬品として承認されていません。今後は、オロチン酸リチウムを用いたヒトでの臨床試験が行われ、その効果が解明されることが期待されます。
研究者
医学部 精神神経科学
岸太郎 教授
医学部 精神神経科学
松永慎史 客員准教授
医学部 精神神経科学
岩田仲生 教授
et al.


