プレスリリース

認知情動を見守り支える住まいシステムの開発 「知の拠点あいち重点研究プロジェクトⅣ期」に採択

 ~健康長寿社会の実現に向け、新技術の実用化をめざす~

本学が、中部電力株式会社、ジョージ・アンド・ショーン株式会社ら6社と協働で取り組む研究課題「安心長寿社会に資する認知情動を見守り支える住まいシステム開発」が7月29日、「知の拠点あいち重点研究プロジェクトⅣ期」に採択・公表されました。
同プロジェクトは、愛知県が公益財団法人科学技術交流財団に委託して実施している産学官連携の研究開発事業で、大学等の研究シーズを活用したオープンイノベーションにより、県内産業が抱える技術的課題を解決し、新技術の開発・実用化や新たなサービスの提供を目指すことを目的としています。

研究課題について

藤田医科大学は、同プロジェクトII期およびIII期にも研究課題が採択されており、ロボティックスマートホーム、AI・IoT・ロボットを融合させた住まいの開発に取り組んできました。Ⅳ期となる今回は、活力のあるスタートアップ企業等が新たに参画し、これまでの同プロジェクトの研究成果を核に、認知情動機能に着目した発展的研究テーマに取り組みます。具体的には、「日常生活の中から自然に取得可能な情報を活用した認知情動機能の評価」および「双方向・体験型webコミュニケーション等を活用した認知情動機能への介入」を行うシステムの開発を目指します。(研究期間:2022年8月~2025年3月)


【図】「日常生活の中から自然に取得可能な情報」として検討予定の一例。
左図は「スマートメータからの電力・水道の情報取得」、右図は「Webコミュニケーション時の表情・視線の情報取得」。

研究リーダー

藤田医科大学 大高 洋平
医学部リハビリテーション医学I講座 主任教授
ロボティックスマートホーム・活動支援機器研究実証センター センター長
 

参画機関と役割 

  大学名 役割
研究リーダー 藤田医科大学 認知情動機能に関する知見と医学的な評価・介入のノウハウを組み込んだ住まいシステムの提案
事業化リーダー 中部電力株式会社 ライフライン[電力、水道]等の情報取得
ジョージ・アンド・ショーン株式会社
 
表情や視線に関する情報取得と解析、Webコミュニケーション等を用いた介入
参画企業

 
株式会社NTTドコモ ライフライン[通信]等の情報取得と解析
株式会社スピード 運動プログラム等を用いた介入
合同会社ネコリコ ライフライン[電力、水道]等の情報取得
株式会社JDSC ライフライン[電力、水道]等の情報解析
(順不同)

背景

医学の進歩によって平均寿命は延伸し「長命」となりましたが、日常生活活動が制限されない「健康寿命」の延伸は十分とはいえず、真の「長寿」は実現できていません。とくに2016年以降、要介護になる原因の第1位は認知症となり、真の「長寿」の実現には、「生活者の認知情動を見守り支え、健やかに生活できる仕組み」の構築が喫緊の課題といえます。
この課題の解決に向けて、藤田医科大学が有するリハビリテーション医学の知見と、各社が有する独自の技術を組み合わせて、研究開発を進めていきます。

愛知県 健康長寿社会形成ビジネスモデル創出調査事業の支援を受けています

本研究課題は、愛知県が実施している、スタートアップを活用した産学官連携による新たなビジネスモデル創出可能性の調査や実証実験に対する支援を行う「健康長寿社会形成ビジネスモデル調査事業」により、参画企業候補の調査、共同研究に向けた検討等が進められました。
研究リーダーの大高は、同調査事業のワーキンググループの1つである「認知症の人向けスマートホームの開発」の座長を務めています。