橋渡し研究シーズ探索センター

橋渡し研究シーズ探索センター

センター長 佐谷 秀行

 橋渡し研究シーズ探索センターは、我が国トップレベルの基礎医学系知の拠点から有望なシーズを発掘・評価・選考し、知財・市場性・薬事承認の可能性等の観点から分析を行います。
 研究推進本部下には、がん医療研究センター、国際再生医療センター、精神・神経病態解明センター、感染症研究センター、医科学研究センター、産官学連携推進センターをはじめ17のセンター・室がございます。
 これらのセンター・室を横断的に探索し、臨床研究の実施を担う「治験・臨床研究支援センター」に迅速に移行することを目指してまいります。

センター体制

トランスレーショナル研究支援室

 研究開発のプロセスの流れに沿って、研究シーズの発掘・育成・評価・知財戦略を担う4つの機能的ユニットから成り、これらの機能を一元的に管理しています。所属メンバーは、医薬品、医療機器、体外診断用医薬品、再生医療等製品の開発において豊富な経験を持つ製薬企業等の出身者から構成されています。

<研究シーズ発掘ユニット> 
 学内からは、最先端医療への橋渡しをめざす研究センター(がん医療研究センター、国際再生医療センター、精神・神経病態解明センター、感染症研究センター、医科学研究センター等)や医学部・医学系研究科講座等を中心に、医学系の研究シーズを発掘しています。
 学外からは、先端医療開発コンソーシアム(C-DAM)に参画する4大学(愛知学院大学、岐阜薬科大学、摂南大学、名城大学)から生み出された薬学系・工学系の研究シーズを中心に発掘しています。
 
<研究シーズ育成ユニット> 
 プロジェクトマネジャーが各シーズ課題の伴走者として、研究者や他のステークホルダーとのコミュニケーションを行い、研究開発計画の策定やプロジェクトの推進を支援すると共に、進捗管理を行っています。
 また、社会実装を目指すための、外部競争的資金あるいは本学独自の教員研究助成費の獲得に向けた支援の他、プロジェクトの進捗状況に応じて、知財ユニットや治験・臨床研究センターの各専門人材と連携し、プロジェクトの実行可能性や品質に関わる課題に適切に対処することで、研究シーズを育成しています。
 
<研究シーズ評価ユニット> 
「藤田シーズ選定評価基準」に則り、科学的重要性・社会的インパクト、知的財産権の優位性、社会実装の可能性、社会的意義の4つの観点から、研究シーズを多角的に評価しています。
 有望なシーズと判定された研究開発テーマについては、本学独自の教員研究助成費の提供や、外部競争的資金の獲得に向けた追加支援、製薬企業・医療機器メーカーなどへの共同研究・ライセンス活動を行うなど、産官学連携推進センターとの緊密な連携により、社会実装へ向けた強力な支援を実施しています。
 
<知財戦略ユニット> 
 研究者からの発明相談、明細書作成および特許出願手続き、企業との導出交渉等、研究シーズの社会実装を目指した特許戦略策定と実務対応全般を担当しています。
 このユニットでは、企業における豊富な知財マネジメント経験及び弁理士資格を有する教員を筆頭に、大学において先端医療分野の豊富な研究開発経験を有した人材から構成されています。

生物統計室

<生物統計ユニット> 
 新しい治療が世の中で使われるようになるまでには、複数の試験を経て、エビデンスを積み重ねていく必要があります。生物統計ユニットでは、それぞれの試験の段階にふさわしい臨床試験のデザインを設定し、解析を行います。疾患領域、治療法、試験の段階などによって、何を用いてどのように治療効果を評価するかが異なります。また、試験の計画時に参考となる対象集団や効果についての情報量も異なるため、より効率的なデザインを検討します。
 これらの臨床試験を進める中で生じる統計的な課題にもチャレンジしてまいります。

※ 臨床研究相談窓口の設置について
 学内教職員を対象に、臨床研究に関する相談窓口を設置しております。研究者の先生方が臨床研究を立案・実施する際に生じる様々な問題や課題等に対し、幅広く相談を受け付け、統計解析に関する相談にも応じております。
詳細は「教職員専用ポータルサイト」臨床研究相談窓口について(2023.08.30)をご確認ください。
 
<バイオインフォマティクスユニット> 
 ゲノム解析を始めとする症例の多層オミックス解析データを用いて、治験や臨床研究の症例選択やコンパニオン診断のためのバイオマーカーの開発を支援します。
 また、パブリックデータベースやAI技術とスーパーコンピューターを駆使することで、分子モデリングなどの創薬支援を行います。

バイオリソース室

 バイオリソース室では、同意をいただいた患者さんの血液や手術・検査の際に摘出されて診断に使用された余剰組織の一部など(生体試料)を医療情報と合わせて適切に保存した上で、それらを新しい検査法、治療法、予防法などの医学研究・開発に活用し、病気の原因解明や未来の医療のために役立たせることを目的としたバイオバンク業務を行っています。高品質な生体試料の採取・処理・保管システムの強みを生かした事業を展開し、学内・学外の研究ニーズにマッチしたクリニカルバイオリソースの提供を行っています。
 バイオリソース室のホームページでは、バイオリソース室に関する詳細な情報、バイオバンク利用時に必要な各種申請書等を掲載しています。また、オプトアウトを用いた研究の概要や試料・情報等の使用および提供の状況について、本ホームページにて適時公開しています。